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ミズキ/みずき/水木
Giant dogwood
【ミズキとは】
・北海道から九州までの各地に分布するミズキ科の落葉樹。低山や原野の明るい水辺に自生するが、緑陰樹として公園や街路に植栽されることも多い。日本以外ではアジア大陸東部やヒマラヤ地方に見られる。
・根から水を吸い上げる力が強く、春先に枝を切ると水が滴り落ちることからミズキ(水木)と呼ばれる。名前から想像できるように花木として人気の高いハナミズキの仲間。花は控えめでクマノミズキに似るが、開花期(5月~6月)に遠くから見ると、木全体が白っぽく見えるほど咲き誇る。
・落葉樹としては艶やかで味わい深い葉を持つため、一般家庭では雑木の庭を作る場合に用いられることもある。葉は長さ5~15センチ、幅4~8センチほどの卵形あるいは幅の広い楕円形で先端は急に尖るが、葉の縁にギザギザはない。クマノミズキの葉は対になって生じるが、本種は枝から互い違いに出る。
・扇状の枝が階段のように生じる姿は特徴的であり、落葉期でも他の木と見分けやすい。また、小枝は暗い紅色に色付き、葉がない時季でも趣があるため、小正月の慣習である「繭玉の木」に使われる。
・花の後にはグリーンピースのような果実がなり、7月下旬ころから赤紫に色づき始め、9月頃には黒くなる。カラス、ムクドリ、ヒヨドリ、キビタキ、エゾビタキ、ジョウビタキ、ツグミなどの鳥、ツキノワグマなどの野性動物が好んで食べるが、強風に弱く、熟す前に枝ごと落下することも多い。
・幹の直径は最大で70センチほど。成長が早く、枝は1年で1mほど伸びるが材は緻密で加工しやすく、年輪の目立たない青っぽい白一色になる。コケシ(宮城県の鳴子など)、玩具、印鑑、下駄、箸、漆器の木地、寄木細工、薪炭等に使われる。
【ミズキの育て方のポイント】
・暑さ寒さに強く、北海道から九州までの広い範囲に植栽できるが、典型的な陽樹であり日向に植える必要がある。
・本来は肥沃な土を好むが、適応力はあるため、土質を選ばずに育つ。
・枝が規則正しく端正に生じ、全体としては傘型の樹形になる。雄大な樹姿を鑑賞するのが理想的であるが、強い剪定や刈り込みにも耐える。とにかく成長の早さが著しい木であり、狭い場所では手に負えない。
【ミズキの品種】
・葉に模様が入る「フイリミズキ」や「トリカラー」がある。
ミズキの基本データ
【分類】ミズキ科 ミズキ属
落葉広葉 高木
【漢字】水木(みずき)
【別名】ミズノキ/クルマミズキ
ミズクサ/マユダマノキ
【学名】Cornus controversa
【英名】Giant dogwood
【成長】かなり早い
【移植】普通
【高さ】15m~20m
【用途】公園/街路樹
【値段】1500円~