マユミ/まゆみ/真弓

Spindle tree

まゆみ,植物,マユミ,樹木
秋にできるマユミの実は、ピンク色のサイコロのよう
まゆみの木
マユミの冬芽
真弓,樹木,まゆみ
芽出しの様子
spindle tree
新芽と蕾の様子(3月上旬)
弓の木,マユミ,植物
新芽と蕾の様子
Japanese spindle tree
新葉の様子
樹木,まゆみ
マユミの葉は枝から対になって生じる(成葉の様子)
まゆみの木
裏面の様子
マユミ,植木
樹形は奔放で、まとまりにくい
つぼみ,ツボミ
マユミの蕾
flower of spindle tree
開花期の様子
開花時期
マユミの開花は5月ころ(画像は雄花)
マユミの木の花
花には雌雄がある(雌花の様子)
spindle tree,fruits,picture
雌花の後には葉が青いうちから実ができて・・・
まゆみ,種子
紅葉と共にピンクに色付く
Spindle tree
マユミの実
ピンク色の木の実
熟すと果皮が自然に裂けて
spindle tree,picture
中からオレンジ色の仮種皮が顔を出す
まゆみ,赤い実
落葉後の果実は花よりも目立つ
spindle tree
抜け殻になっても、しばらくは枝に残る
まゆみ,木の名前
紅葉期の様子
檀の木,樹皮
若い木の幹はこんな感じだが・・・・
まゆみ,花木
樹高は意外に5m以上に達し・・・
マユミの樹皮 写真
古木の樹皮はコルク質が発達して、こんな感じになる

 

【マユミとは】

・沖縄を除く日本全国に分布するニシキギ科の落葉樹。山地や丘陵の林縁に自生するが、紅葉や個性的な果実を観賞するため、古くから庭木あるいは盆栽として親しまれてきた。日本以外でも朝鮮半島や中国本土及び台湾に見られる。

 

 

・マユミの葉には個体差や変異が多く、大きさや幅はバラエティに富むが、長さ5~15センチ、幅3~8センチほど。先の尖った楕円形で両面ともに毛はなく、葉の縁には細かなギザギザがある。秋には黄色から紅色になるが、地方や環境によっては橙色、黄色にとどまる。若芽をコノメ(木の芽)として食用することがあある。

 

 

・枝には白い筋が入り、時に黄褐色を帯びる。材としては柔軟性があり、よくしなる。弓(丸木弓や三枚打弓)の材料になったことが、縄文時代の遺跡(鳥浜貝塚)によって証明されており、「真弓」と名付けられた。弓に使われた木には、イチイミズメケヤキニワトコカヤイヌガヤヤマナラシなどがあるが、「真」は「最高の」意味があり、マユミが高級な弓材であったことが分かる。漢字表記にはほかに「檀」もある。 

 

 

・マユミの開花は5~6月。花は直径1センチほどの淡い緑色で、あまり目立たないものの1~7輪ずつ咲く。雌雄異株であり雌の木には雌花を、雄の木には雄花を咲かせるが、その中間のような花もあって区別しにくい。花弁、萼片、雄しべは四つある。

 

 

・秋(10~11月)になるとサイコロステーキのような四角い薄紅色の実が鈴なりになり、熟すと自然に四つに裂けて中から暗い紅色の仮種皮に包まれた種子が顔を出す。これを目当てにメジロ、オオアカゲラ、コガラ、コゲラなどの野鳥が集まるが、種子には毒性がある。種子の抜け殻は長いあいだ枝に残り、地域によっては雪とのコラボレーションが見られる。

 

 

・果実は熟すと、ニシキギマサキと同じように四つに裂け、中からオレンジ色の種(仮皮種)が顔を出す。この様子を繭(まゆ)に喩え、繭実(まゆみ)が命名の由来であるとする説もある。 

 

 

・樹高は通常3mほどで低木のイメージが強いが、稀に15mほどの高さになる。直径は最大で20~30センチほど。樹皮は灰褐色で、老木になると縦長の網目模様が入り、樹形自体も味わい深いものとなる。材は緻密で堅く、光沢のある白色が美しいことから、ツゲヤブツバキと同じように印鑑や将棋の駒あるいはコケシなどの民芸品を作る材料となる。

 

 

【マユミの育て方のポイント】

・基本的には病害虫に強く、丈夫な性質であり、育てやすい。

 

 

・日向から半日陰に植えるのがベターだが、寒さに強く、日陰でも育てられる。

 

 

・成長が早いものの、剪定によって適度な高さに抑えて育てることができる。ただし、枝は横に広がって乱れやすく、樹形は整えにくいため、自然樹形を観賞できるだけの広さがあれば尚良い。

 

 

・土質は選ばないが、花や実を十分に楽しむには肥料が必要。

 

 

・雄株には実がならないが、歳月を経れば実が成ることもある。

 

 

【マユミの品種】

アカミノマユミ~実の色が濃い変異種

 

 

・シロミノマユミ~実がクリーム色で、中の種(仮種皮)が赤い品種

 ほかにもアメリカマユミなどが知られる。

 

 

・百万石

 大きな赤い実がなる品種

 

 

・ホウキマユミ

 複数の細かい幹が箒状に生じる園芸品種

 

 

・ヒゼンマユミ

 九州や沖縄の一部地域に自生するマユミの仲間で、黄色い実ができる。マユミと名乗るが常緑樹であり、マユミよりはマサキに近い。

 

 

・アンドンマユミ

 1935年に福島県の桧枝岐村で発見された品種。果実が行燈のような独特の形になる。発見地以外に天然分布はなく、絶滅が危惧される。

 

 

・ムラサキマユミ

 本州、四国及び九州の低山に分布し、赤紫色の花が咲く。

 

 

【マユミに似ている木】

コマユミニシキギ ツリバナ マサキ 

 コマユミは小型のマユミを彷彿させるネーミングだがニシキギの変種でありマユミとの直接的な関係はない。コマユミはニシキギに見られる枝の翼がないという特徴を持つ。

 

マユミ,まゆみ,白実,画像
実が白い「シロミノマユミ」
紅まゆみの木,植物
アカミノマユミ(ベニマユミ)
檀の木,品種
「百万石」は大きな実ができる
ホウキマユミ,画像
ホウキマユミは幹が箒状になる
あめりかまゆみ,盆栽
アメリカマユミ
肥前檀,ひぜんまゆみ
ヒゼンマユミ
絶滅危惧種,植物
アンドンマユミ
紫マユミの花
ムラサキマユミ
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マユミの基本データ

 

【分類】ニシキギ科/ニシキギ属

    落葉広葉/小高木

【漢字】真弓/檀(まゆみ)

【別名】カワラマユミ/オトコマユミ

    ヤマニシキギ/ユミノキ 

【学名】Euonymus sieboldianus 

【英名】Spindle tree

【成長】早い

【移植】簡単 

【高さ】2~15m

【用途】根締め/公園/盆栽

【値段】1000円~

 

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