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ニッサボク/にっさぼく
Chinese tupelo
【ニッサボクとは】
・中国の河南省及び長江流域を原産とするヌマミズキ科の落葉樹。日本の木にはない派手な紅葉が美しく、ニシキギ、スズランノキと共に世界三大紅葉樹に数えられる(本種ではなく北米産のニッサシルバチカとする説も)。欧米では街路樹に使われるが日本での植栽は少なく、公園や植物園等で稀に見られる。
・開花は葉の展開を終えた春~初夏。ヌマミズキと似た黄緑色の小花が枝先で球状の花序でまばらに咲く。雌雄同株または異株で雄花は前年に伸びた枝葉の付け根に咲き、多数の雄しべが突き出す。
・雌花はその年に伸びた枝に咲き、雌花の後には藍色をした楕円形の果実ができる。ニッサボクの中国名は「藍果樹」あるいは「紫樹」で、この果実に由来する。なお学名のNyssa sinensisは、「水の妖精(Nyssa)」+「中国の(sinensis)」
・葉は長さ5~15センチ、幅2.5~5センチの細長い卵形。近縁のヌマミズキに似るが幅はより広い。葉の基部には1~2センチの葉柄があり、枝から互い違いに生じる。表面は光沢のない濃緑色で、裏面は8~10対ある葉脈が目立つ。関東地方ではイチョウと同じ頃に色付くが、綺麗に色付くのは短期間。
・若い木の幹は白っぽい灰色。樹齢を重ねると黒灰色のコルク質となって剥離する。
【ニッサボクの育て方のポイント】
・日向を好むが半日陰でも育つ。ただし綺麗な紅葉を見るためには、日向に植える必要がある。
・湿気のある場所を好むが適応力があり、乾燥気味の場所でも育つ。植穴には腐葉土などを漉き込んで保湿性を高めた方がよい。
・枝葉が繁茂し、放任気味に育てると樹形が乱れる。剪定には耐えるため定期的に剪定して樹形を維持したい。剪定の適期は落葉期。
【ニッサボクに似た木】
ニッサボクの基本データ
【分類】ヌマミズキ科
ヌマミズキ属
落葉広葉 小高木
【学名】Nyssa sinensis
【別名】ニッサ
【成長】早い
【移植】やや難しい
【高さ】10~20m
【用途】公園/街路樹
【値段】5,000円~