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ナツハゼ/なつはぜ/夏櫨
Oldham blueberry
【ナツハゼとは】
・本州から九州の山地に自生するツツジ科の落葉低木。果樹として人気の高いブルーベリーの仲間で、日本に自生するため、時に「日本のブルーベリー」と呼ばれる。
・新芽は紅く、夏の時季からハゼノキのように美しく紅葉するためナツハゼと命名された。葉は枝から互い違いに生じ、葉の両面、縁、枝には細かな毛が多く、触れるとザラつくのが特徴。
・ナツハゼの開花は5~6月。雌雄同株で、黄緑色あるいは紅色の混じった釣鐘型の花を下向きに咲かせる。じっくりと観察すれば可愛らしいが、花の直径は4~5ミリほどであり、通りすがりでは見付けにくい。
・果実は初夏にできはじめ、8月から10月にかけて熟す。直径5~8ミリほどで、上部には萼の跡が輪状に残るため、その姿を鉢巻や茶釜に見立てた別名がある。
・ナツハゼの実は黒く熟せば生で食べることができる。舌触りは余り良くないがブドウのような甘酸っぱさがあり、何かと話題のポリフェノールを豊富に含むため、ジャムなどの加工品用に栽培されることもある。
・株立ち状に竿立ち、樹高は最大で3mほどになる。樹皮はアセビやシャシャンボなどに似るが、やや灰色を帯びた褐色で、樹齢を重ねると縦に剥離しやすい。
・業者によっては本種を「ゴンスケ」と呼び、別種のスノキをナツハゼと呼ぶため混乱が生じやすい。
【ナツハゼの育て方のポイント】
・自生地は山林で、花崗岩の風化土が混ざったような乾燥気味の場所を好む。
・半日陰程度なら丈夫に育つが、紅葉を楽しむには日照が必要。
・果実はまばらにできるのが普通であり、大量に収穫するような樹種ではない。
・株立ち状に育つことが多く樹形は整いにくいが、剪定は好まない。野趣のある自然樹形あるいは紅葉や実を楽しむものとして植栽する。
【ナツハゼの品種】
・アラゲナツハゼ
関西以西に分布する品種で、葉に毛が多い。ナツハゼよりも葉は大きく、実の成り方も異なる。
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ナツハゼの基本データ
【分類】ツツジ科/スノキ属
落葉広葉/低木
【成長】やや早い
【漢字】夏櫨(なつはぜ)
【別名】ゴンスケハゼ/ゴスケハゼ
ヤマナスビ/ヤロコハチマキ
ハチマキイチゴ/ブンブク
ハチマキブドウ
【学名】Vaccinium oldhamii
【英名】Oldham blueberry
【移植】ふつう
【高さ】1m~3m
【用途】雑木の庭/生け花
【値段】800円~