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テツカエデ/てつかえで/鉄楓
Tetsu-kaede
【テツカエデとは】
・秋田県~岩手県以西の本州、四国及び九州に分布するムクロジ科の落葉樹。山地や深山にかけて自生し、ブナ帯と針葉樹林帯が接する辺りに多い。個体差はあるが樹齢を重ねた樹皮や材が鉄黒色になるため、テツカエデと名付けられた。
・葉は直径10~15センチで浅く三つに裂け、外形はほぼ五角形になることが多い。表面の側脈はへこんで、縁には細かなギザギザがあり、裏面基部の脈上には、赤錆色の縮毛がある。柄は無毛で長さ8~18センチほど。秋には黄葉する。
・テツカエデの開花は6~7月。枝先に伸びた長さ10~20センチの花柄に、クリーム色の花が400~1000個も集まって円錐状に垂れ下がる。
・花弁と萼はそれぞれ5枚で雄しべも8個。雌雄同株または異株で、雄花のみ、両性花のみ、双方が咲くものがある。花柄や若い枝に縮れた毛が密生し、これが鉄さび色に見えるためテツカエデになったという説もある。
・花の後には翼のある果実ができ、8~10月頃に熟す。果実は長さは3~4センチで褐色の毛が密生し、翼はほぼ直角に開く。
・若い木の樹皮は緑で褐色の毛があるが、樹齢を重ねると暗い灰色になる。テツカエデが材木として使われることはほぼないが硬質であり、稀に器具材に利用される。
【テツカエデの育て方のポイント】
・土質を選ばず丈夫に育つが湿気を好む。
・やや耐暑性が低いため夏の暑さが厳しい都市部では、葉が汚くなりやすい。
・剪定すると樹形を乱しやすいため、広いスペースに植えて伸び伸びと育てるのがよい。
【テツカエデに似た木】
・オガラバナ
北海道と奈良県以北の本州に見られる近縁種。高山や深山に分布し、花柄はテツカエデよりも短い。果実の翼が鋭角に開くのもテツカエデとの違い。
・ウリノキ
ミズキ科の落葉樹で分類上の関連はないが、似たような葉になる。
テツカエデの基本データ
【分類】ムクロジ科/カエデ属
落葉広葉/高木
【漢字】鉄楓(てつかえで)
【別名】テツノキ
【学名】Acer nipponicum Hara
【英名】─
【成長】やや早い
【移植】簡単
【高さ】5~18m
【用途】雑木の庭
【値段】─