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チャンチン/ちゃんちん/香椿
Chinese cedar
【チャンチンとは】
・中国を原産とするセンダン科の落葉樹。春先に見られるカラフルな新芽を観賞または食用とするため庭木として利用される。日本へ渡来したのは江戸時代以前で、主に本州以南に植栽される。まっすぐに伸びる太い幹からウルシに似た葉を生じるのが特徴。
・チャンチンは木全体に特有の香りがあり、枝を折ると独特な匂いがするが、中国では若芽を食用とする。このため現地では庭先に植えている家庭が多い。日本では住宅事情もあってか公園や大学のキャンパス、街路樹以外に使われることは少ない。
・葉は直径10センチ前後の楕円形。5~11対の葉が集まって羽根状になる。春の新芽には白、ピンク色、薄紫などユニークに発色するものもあって人目を惹く。
・ほとんど目立たないものの、6月~7月にかけて枝先に小さな白花を咲かせる。花の後には果実ができ、10月頃に熟すと五つに裂けて花形の殻が残る。
・チャンチンという奇妙な名前は中国名「香椿(シャンチュン)」が転訛したものだが、椿(ツバキ)との直接的な関係はない。なお、中国ではツバキを「山茶花」と表記し、椿は単独でチャンチンを指す。
・葉が落ちる冬季は電柱のようにすっきりとした姿形になること、枝の張り出しが少なく雷の被害に遭いやすいことから、別名をライデンボク(雷電木)という。(ナナカマドやキササゲにもライデンボクという別名がある。)
・樹皮は灰色で経年と共に縦に薄く剥離する。成長が早く幹は最大で直径80センチほどになる。材は硬質で耐水性があり、その色合いはセンダンに似ているが、より赤みを帯びる。独特な色合を生かして内装材や家具、楽器、寄木細工等に利用する。
【チャンチンの育て方のポイント】
・別名のクモヤブリとは「雲破り」であり、日向であれば土質を選ばず、雲を突き破るほどに?大きく育つ。幹のみならず側枝も太く、直上する傾向があり、成木では壮大な樹形となる。自然樹形を鑑賞するには相当広いスペースに植える必要がある。
【チャンチンの品種】
・アカメチャンチン
新葉が特に赤みを帯びた品種で、園芸用としてはより多く普及している。
【チャンチンに似ている木】
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チャンチンの基本データ
【分類】センダン科/チャンチン属
落葉広葉/低木
【漢字】香椿(ちゃんちん)
【別名】クモヤブリ/スグロク
ライデンボク(雷電木)
ヒャンチン
トウヘンボク(唐変木)
【学名】Toona sinensis
【英名】Chinese cedar
【成長】かなり早い
【移植】普通
【高さ】15m~30m
【用途】公園/街路樹
【値段】4、000円~