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アオハダ/あおはだ/青膚
Aohada tree/Macropoda holly
【アオハダとは】
・北海道から九州まで日本各地に分布するモチノキ科の落葉樹。自生は丘陵地や山地の林内だが樹形が端正で、葉と果実のコントラストが美しいことなどから、庭園等にも植栽される。日本以外では中国と朝鮮半島に見られる。
・アオハダの開花は初夏(5~6月)で、短い枝の先に小さな淡い緑色の花が咲く。雌雄異株で、雌木には雌花が数輪ずつ咲き、雄木には雄花が球状に多数が集まって咲くが、いずれも直径5~7ミリほどで目立たない。
・雌花は中央にある緑色の花柱(柱頭)が目立ち、4~5本ある退化した雄しべは小さく花粉もつかない。雄花の雌しべは退化し、花粉のついた4~5本の雄しべが目立つ。花弁はいずれも楕円形で4~5枚ある。
・雌花の後にできる果実は直径7ミリほどの球形。葉がまだ青い8月頃から赤く色付き、紅葉の寸前まで枝に残って10月頃に熟す。果実は同属のウメモドキに似ており、自然界ではクマが好んでこれを食べる。別名「コショウブナ」はコショウの果実に似ることに由来。果実には淡い褐色をした種子が4個ずつ含まれる。
・葉は長さ4~7センチ、幅2.5~4センチの卵形で先端が尖り、縁には浅いギザギザがある。両面に細かな毛があり、裏面は淡い緑色だが光沢がある。葉は枝から互い違いに生じるが、短い枝ではその間隔が狭く、束になって生じているように見える。
・アオハダは秋に黄葉するが、都市部などでは色が抜けたような黄色にとどまることが多い。新芽は食用でき、乾燥させたものは「弘法茶」と称して飲用する。
・樹皮は灰白色あるいは灰褐色で、皮目と呼ばれる白い斑点が見られる。高木だが樹皮が明るく、圧迫感がないことも庭木として好まれる所以か。表皮は薄く、枝や幹を爪で引っ搔くと容易に剥がれて緑色(昔でいう青)をした内皮が現れるため、アオハダと名付けられた。材は木目が細かくて美しいため、器具材や寄木細工などに使われる。
【アオハダの育て方のポイント】
・日当たりと水はけの良い場所を好むが土質は選ばない。
・シンボルツリーとして単独で植えても、それなりの風景を作ることができる。雌雄異株であり、実を楽しむには雌の木を植える必要がある。
・幹は直立し、枝は水平方向に伸びやすく、小枝が多い。自然樹形を楽しむ木であり、剪定にはセンスと技術が必要になる。
・病害虫は少ない(まれにテッポウムシの被害にあう)。
【アオハダの品種】
・ケナシアオハダ~葉の裏に毛がない。
【アオハダに似ている木】
・アオダモ
名前が似ているだけで本種とは関係がない。
同じモチノキ科の木で赤い実を付ける。性質が似ているためアオハダは別名「マルバウメモドキ」とも呼ばれるが、庭木としてはウメモドキの方がより親しまれる。
・フウリンウメモドキ
本州、四国及び九州に自生するモチノキ属の落葉低木。柄のある赤い果実が枝先にぶら下がってできる。
・タマミズキ
西日本の山地に生じるモチノキ属の落葉高木。アオハダよりも葉は大きく、葉脈の隆起が目立つ。同じように紅い実ができるが結実までに歳月を要する。
青い内皮【6カ月枯れ保証】「アオハダ」 苗木 0.3m程度 |
アオハダの基本データ
【分類】モチノキ科/モチノキ属
落葉広葉/高木
【漢字】青膚/青肌(あおはだ)
【別名】コショウブナ
マルバウメモドキ
【学名】Ilex macropoda Miq
【英名】Aohada tree
Macropoda holly
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】10m~15m
【用途】シンボルツリー/雑木の庭
【値段】1000円~