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ミツバツツジ/みつばつつじ/三葉躑躅
Mitsuba tsutsuji
【ミツバツツジとは】
・関東、東海及び近畿地方に分布するツツジ科の落葉樹、太平洋側の丘陵や低山に自生し、数多いツツジの仲間のうち最も早く開花して早春を彩る。地域差による品種や変種が非常に多く、正確に分類するのは困難とされるが、基本種のミツバツツジは雄しべが5本、それ以外の多くは10本であるため比較的見分けやすい。
・単にミツバツツジという場合、基本種のミツバツツジを指すこともあるが、近縁種の総称としてミツバツツジということも多い。代表的な品種には、トウゴクミツバツツジ、サイコクミツバツツジ、トサノミツバツツジ、キヨスミミツバツツジ、ヤクシマミツバツツジ、コバノミツバツツジ、ダイセンミツバツツジなどがある。
・開花は葉の展開に先立つ3~5月。画像のような紅紫色が基本だが、個体によって色合いは微妙に異なる。ふつう2~3花がまとまって分岐した小枝の先に咲く。花は漏斗型で先端は五つに裂け、全体の直径は5センチほどになる。花の後には実がなり、7~10月頃に熟すと五つに裂けて種子を落とす。
・名前のとおり3枚の葉がセットになって枝先に付くが、葉が2枚しかないこともある。若葉は両面に毛があり、触ると粘り気がある。成葉は菱形に近い形で先端が尖り、長さは3~7センチ。
【ミツバツツジの育て方のポイント】
・日向であれば土質を選ばずに育つ。
・剪定に十分耐えるが、枝の出方が粗いため、丸や四角といった幾何学的に刈り込むような木ではない。極端に伸びた枝を根元から取り除くような剪定が望ましい。普通はメインとなる幹がなく、株立ち状に育つ。
【ミツバツツジの品種】
近畿地方に多い品種で、雄しべは10本、葉の両面に点々の模様がある。
・サイコクミツバツツジ
西日本の山地に多い品種。葉の付け根付近に毛があること、10本の雄しべには長短があることが特徴。
サイコクミツバツツジに似るが、全体に毛が少なく、葉が小さい。関東から近畿にかけて分布する。
関東や中部地方の山中に多い品種。葉がより大きい。
葉が小型で、花柄に褐色の毛がある。静岡県以西に見られる。
・ダイセンミツバツツジ
トウゴクミツバツツジに似るが、花柱に毛がない。樹高が4m近くになるなど他の品種より大型で、近畿から中国地方に分布する。
ミツバツツジの基本データ
【分類】ツツジ科/ツツジ属
落葉広葉/低木
【漢字】三葉躑躅(みつばつつじ)
【別名】─
【学名】Rhododendron dilatatum
var.dilatatum
【英名】Mitsuba tsutsuji
【成長】早い
【移植】ふつう
【高さ】2~3m
【用途】公園/切り花/公園
【値段】500円~