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ハリギリ/はりぎり/針桐
Castor aralia
【ハリギリとは】
・沖縄を除く日本全国に分布する落葉広葉樹。キリとは名が付くものの、高級箪笥の材料として知られるキリの仲間ではなく、タラノキなどと同じウコギ科に属する。北海道に多く、アジア大陸の東北部、千島列島などにも分布する。
・若い幹や枝にハリのような鋭い棘があり、キリのように大きな葉を持つこと、あるいはキリを思わせるような白色の材であるため、ハリギリと名付けられた。一見すると近付き難い木だが、新芽はタラノキ、ウコギ、コシアブラと同様、天ぷらなどにして食用できる。
・棘は樹皮が変形してできたもの。幹の棘は幼木に限られ、老木になると小枝にのみ見られる。木が大きくなると棘は先端が丸くなってイボ状に残るが、幹には深い窪みができて美しい木肌となる。樹皮は灰褐色~黒褐色で縦に剥離し、薬用となる。
・ハリギリの材は「センノキ(栓木)」あるいは「セン(栓)」と呼ばれる。木目はケヤキに似て柾目が美しく、別名をニセケヤキという。アイヌ民族はこれを用いて船、臼、木鉢などを作った。現在でもベニヤ板や家具材として使用される。
・材は年輪の幅によって硬さが異なり、幅が広くて硬いものをオニセン、狭くて柔らかなものをヌカセンと呼んで用途を区別する。
・葉は直径20センチ~30センチ程度の掌状。5~9つ程度に裂け、それぞれの先端は尖り、縁には細かなギザギザがある。葉柄が長いことや秋に黄葉して落下する様子はキリに似る。枝にトゲがあることや新芽が食用になることからタラノキと混同されることもあり、アクダラという別名がある。葉の大きさを生かし、地方によっては食品を包むのに用いた。
・ハリギリの開花は6~8月。枝先に伸びた長さ20センチほどの球形の花序に、小さな花が集まって咲く。花は赤紫の葯が目立つが、小さいながらも黄緑色の花弁がある。花の後には水分を含んだ果実がなり、黒紫色に熟す。
・肥沃かつ適度な湿気のある土地を好むため、北海道を開拓する際には、この木の育ち具合を見て、開墾に適した土地かどうかを判断したという。
【ハリギリの育て方のポイント】
・暑さ寒さに強く、北海道から九州までの広い範囲に自生する。
・幹は直立し、枝の出方も単純になる傾向がある。成長が早く、直径1m程度の大木になる場合もある。その割に剪定に弱いため、一般家庭の植栽にはあまり向かない。
・人通りのある場所に植える場合、安全のため下の方の棘は取り除いたほうがよい。ナタなどで払えば容易に除去できる。
【ハリギリに似ている木】
・同じウコギ科のタラノキに似るが、棘はハリギリの方が大きい。
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ハリギリの基本データ
【分類】ウコギ科/ハリギリ属
落葉広葉/高木
【漢字】針桐(はりぎり)
【別名】ハリキリ/センノキ/セン
テンングノハウチワ
ミヤコダラ/テングッパ
ニセケヤキ/アクダラ
チマキバラ/カシワ
【学名】Kalopanax septemlobus
【英名】Castor aralia
【成長】早い
【移植】難しい
【高さ】10m~25m
【用途】公園/山菜
【値段】800円~