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ハナイカダ/はないかだ/花筏
Japanese Helwingia
【ハナイカダとは】
・北海道南西部から九州(南西諸島含む)までの広い範囲に分布するハナイカダ科の落葉低木。自生地は山林や水辺近くの木陰で、群生することが多い。葉の表面中央にできる奇抜な花や果実に観賞価値があり庭木として使われるほか、若葉を山菜として利用する。
・ハナイカダという名は、花や果実が葉の真ん中に載る様を筏(イカダ)に乗った船頭に見立てたものだが、これは葉脈と花の軸が癒着していることによる。別名のママッコ、ママコナ、ママコノキは、花や果実の様子を飯(まんま)あるいは子供のママゴトに見立てたもの、または枝から離れてできる花や果実を継子(ままこ)に擬えたものとされる。
・ハナイカダの開花は4~6月。雌雄異株で雄株には雄花が3~5個ずつ、雌株には雌花が1個(稀に2~3個)ずつ咲く。葉の中央に伸びた短い柄の先にでき、雄花には黄緑色の花びらが3~4枚、雄しべも3~4本ある。雌花には同じく3~4枚の花弁があるが雄しべはない。花の大きさは雌雄ともに直径5ミリほど。
・雄花は咲き終えると消滅するが、雌花は次第に大きくなって緑色の果実になり、8~10月ごろに黒紫色に熟す。黒豆のようなこの果実は暗闇の中でも目立ち、森の生き物たちが好んで食べる。人間の食用にもなり、生あるいは果樹酒にして用いる。中国では煎じたものを胃腸薬として使う。なお、別名の「嫁の涙」は、嫁ぎ先でいじめられた嫁の涙が黒い実になったという伝承に由来する。
・ハナイカダの葉は長さ3~10センチ、幅2~6センチの楕円形で先端が尖り、枝から互い違いに生じる。葉の縁にある細かなギザギザは先端が長く伸びてヒゲ状になる。小枝は緑色あるいは紫がかった褐色で、枝の出方は同じミズキ科のミズキに似る。枝の内部には髄と呼ばれる白い管が通るが、この白髄を取り出して行燈などの灯心に使った。
・晩春から初夏に採取した若葉はクセのない味だが、加熱すると松茸のような香りがあり、混ぜご飯、天婦羅、御浸し、佃煮などにして食用する。中国では乾燥させた葉を煎じたものが下痢止めに使われる。
【ハナイカダの育て方のポイント】
・土質は選ばないが、自生地は湿気のある日陰が多く、乾燥には弱い。日差しの厳しい場所では葉が見苦しくなる。
・幹は分岐して株立ち状に育つのが普通。環境に適応すれば2m程度まで育つが剪定は苦手とする。邪魔になるような場合は、株元から切り除いて幹の数を整理するのがよい。
【ハナイカダに似ている花木】
【ハナイカダの品種】
・ハナイカダ オーレア
葉に模様が入る園芸品種
・コバノハナイカダ
文字どおり葉が小さい品種
・リュウキュウハナイカダ
沖縄を原産とする品種で、葉に光沢があるのが特徴。
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ハナイカダの基本データ
【分類】ハナイカダ科/ハナイカダ属
落葉広葉樹/低木
【漢字】花筏(はないかだ)
【別名】嫁の涙/ママッコ
ヨメナノキ/ツキデノキ
イボナ/アズキナ
ママコナ/ママコノキ
【学名】Helwingia japonica
【英名】Japanese Helwingia
【成長】やや早い
【移植】普通
【高さ】1~3m
【用途】雑木の庭/食用
【値段】1000円~