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ソシンロウバイ/そしんろうない/素心蝋梅
Winter sweet
【ソシンロウバイとは】
・中国中部を原産とするロウバイの一品種。日本へ渡来したのは明治時代で、各地の庭園や公園に広く植栽される。原種のロウバイは花の中央部が暗い紫色になるが、本種は中央部も含めて花全体が黄色くなる特徴を持つ。
・「ソシン」は「素心」あるいは「素芯」で、園芸の世界では花弁が芯まで同じ色であることを表す(素心蘭など)。ソシンロウバイは別名をシロバナロウバイといい、中心部が白っぽく見えるものが多いが、多少茶色っぽい個体もある。
・「ロウバイ」の語源には諸説あるが、繊細な花弁の様を蝋細工のウメに見立てたという説が根強い。臘月(旧暦の12月)に咲くウメのような花を語源とする説もあるがロウバイはロウバイ科であり、バラ科のウメとは関係がない。
・ソシンロウバイの開花はロウバイと同じ11月下旬~2月。花の直径は3センチほどで、ロウバイに比べると大きく、スイセンのような強い香りがある。庭木としての利用はロウバイよりもより多く、むしろ原種のロウバイを見付ける方が難しい。花は下向きあるいは横向きで花弁は螺旋状に生じるが、裏側にある萼と連続しており、区別するのが難しい。
・葉は枝から対になって生じ、長さは10~15センチほどになる。枝葉など花以外の形状や性質はロウバイと同じであり、環境が良かれば秋に黄葉する。
・果実(偽果)は長さ3~5センチの不均整な楕円形で、先端に萎れた雄しべが残り、遠目からはミノムシが枝先にぶら下がっているように見える。
【ソシンロウバイの育て方のポイント】
・半日陰でも木自体は育つが、花を楽しむには日照が欠かせない。
・低木として扱うこともあるが成長は早く、放置すれば3~4m近くに育つ。樹形は乱れがちで整えにくく、大きな葉が鬱蒼とするばかりであり、花のない時季は魅力に乏しい。
・狭い庭で管理するには花の直後に強く剪定するか、鉢植えで管理するのがよい。
・大事にし過ぎるよりも強めに剪定して短い枝を多くした方が花数が増える。肥料などの手当てをしなくても花を咲かせることが多い。
【ソシンロウバイの品種】
・マンゲツロウバイ(満月蝋梅)
ソシンロウバイから選別された早咲き品種で、花の黄色がより鮮やかになる。花びらが丸みを帯びていることから埼玉県川口市の園芸業者が満月蝋梅と名付けた。花の香りは弱い。なお実際にはこれらの中間種が多数存在し、ソシンとマンゲツを完全に見分けるのは容易ではない。
ソシンロウバイの基本データ
【分類】ロウバイ科 ロウバイ属
落葉広葉樹 小高木
【別名】シロバナロウバイ
【学名】Chimonanthus praecox
f.concolor
【英名】Winter Sweet
【成長】早い
【移植】普通
【高さ】2~5m
【用途】庭木/公園/切花/鉢植
【値段】800円~