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シオジ/しおじ/塩地
Japanese ash
【シオジとは】
・本州(関東以西)、四国及び九州に分布する日本特産の樹木。標高500m以上の山間に生じ、関東では奥秩父や南アルプスの谷沿いに見られる。かつて材木として多用されたことから全国的にはその数が激減しているが、雄大な樹形を観賞するため、稀に庭木として使われることもある。
・漢字表記は塩地のほか、柾樹、柾檮などで、地方によってはこの木を田畑の近くに植え、新芽が出るのを種まきの合図とした。
・材木の「タモ材」という場合、本来はヤチダモを示すが、本種はヤチダモによく似ているため流通過程では同様扱われ、西日本では特にその傾向が高い。シオジの材はヤチダモに比べると黄色が強く、明るく見えるが、ヤチダモと同じように柔らかくて加工しやすいことから、家具用の優良材とされ、バット、ラケットなどの器具、木工品を作るのに使われる。
・葉は2~4対の小葉が集まってできる。小葉は楕円形で縁にギザギザがあり、先端が少し尖る。1枚の葉の大きさは10センチ前後。葉全体の大きさは30センチ程度になる。
・雌雄異株で4~5月頃に花弁のないたくさんの小花が穂状に垂れ下がる。花の後には実ができ、10月頃に熟す。
・樹皮は画像のような感じで、大きくなるにつれて縦に裂け目が入ることが多い。直径は60センチ程度だが、時に1mを超す巨木となることもある。まっすぐに育ち、年輪がはっきりしていることや、「杢」と呼ばれる綺麗な模様が出やすいことも、材木として好まれる所以。
・同じように材木としての利用が多かったアオダモ、ヤチダモ、ハリギリあるいは本種と葉や生育環境が似るサワグルミやカラスザンショウをシオジと呼ぶ地方がある。
【シオジの育て方のポイント】
・天然の分布は太平洋岸であり、暖地であれば土質を選ばず丈夫に育つ。しかし、谷や沢沿いを好んで育つ木であり、乾燥にはやや弱い。
・剪定は可能だが、強度の剪定は樹勢を弱めるので、控えめに行う。
【シオジに似ている木】
・カイシジノキ
葉軸や葉の裏に細かな毛が多い品種
大人気の庭木であり、関東以西の新興住宅地にあふれている。
・ソウマシオジ
北アメリカ原産のシオジで葉の裏面に毛が密生する。1930年代に福島県いわき市(なぜか相馬市ではない)で野生化したものが発見され、長い間、福島県の特産樹と勘違いされていた。
シオジの基本データ
【分類】モクセイ科/トネリコ属
落葉広葉/高木
【漢字】塩地(しおじ)
【別名】コバチ/ショウジノキ
シュウジ
【学名】Fraxinus platypoda
【英名】Japanese ash
【成長】やや早い
【移植】普通
【高さ】10~35m
【用途】材木
【値段】─