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アブラツツジ/あぶらつつじ/油躑躅
Abura-tsutsuji tree
【アブラツツジとは】
・中部地方以北の山野に分布するドウダンツツジの仲間。新緑、花、紅葉のいづれも美しく、主に山間の庭園などで庭木に用いられる。
・葉の裏が油っぽくピカピカしているのが名前の由来。葉の裏を指で触れれば油が手に残るが、不快なほどではない。葉は楕円形で縁には細かなギザギザがあり、先端は細長く尖る。枝から互い違いに生じるが、枝先では5枚が車輪状に生じ、枝葉にはまばらに毛がある。
・5~6月に咲く花は釣鐘型でドウダンツツジに似るが、画像のとおり花茎が2~3センチの長さで垂れ下がり、5~10輪ずつ咲くのが特徴。花色は淡いクリーム色。花冠の先端は浅く五つに裂け、反り返る。
・秋にできる乾いた果実は花と同じように垂れ下がり、これも五つに裂ける。アブラツツジの紅葉はひときわ美しく、山中でもよく目立つ。陽射しによっては蛍光色のように見えることもある。
・規則的に生じる枝は、庭掃除用のホウキを作るのに適している。このため別名をホウキヤシオという。なお、アブラツツジの果実や樹皮から油を採取することはできない。
【アブラツツジの育て方のポイント】
・原産地は日向の岩場などが多く、土質はあまり選ばないものの、山地性であり、温暖かつ風通しの悪い都市部で育てるのは難しい。
・ドウダンツツジのように刈り込んで管理することもできるが、葉がより大きいため見苦しくなる。また、花は新年度にできた枝に咲くため、春先に刈り込んではいけない。広い場所で放任気味に育てるのがよい。
【アブラツツジの品種】
・コアブラツツジ
西日本に多い品種であり、枝葉に毛がないため見分けられる。
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アブラツツジの基本データ
【分類】ツツジ科/ドウダンツツジ属
落葉広葉/低木
【漢字】油躑躅(あぶらつつじ)
【別名】ホウキヤシオ/ヤマドウダン
【学名】Enkianthus subsessilis
【英名】Abura-tsutsuji tree
【成長】やや遅い
【移植】難しい
【高さ】1m~3m
【用途】紅葉/雑木の庭
【値段】1500円~