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玄関脇に植える木
玄関の前やアプローチにお勧めの植栽について考察します。
そもそも木は好みで選べばいいのであって、特に玄関に限ってお勧めの木となると難しいものですが、まず、一般的にお勧めできない木から考えてみましょう。
①棘がある木
通行の邪魔になり、衣類や傘などを傷める可能性があります。また小さなお子さんのいる御家庭では尚更、注意が必要です。棘のある木は結構多く、ボケ、ヒイラギ、サンショウ、バラ、ナツメ、ミカンなどの柑橘類がその代表です。
棘が外からの「邪気」を払うとして、あえてこうした樹木を玄関に植えることもありますが、ゲンを担ぐ方以外は避けた方が無難です。
②落ち葉掃きが面倒な木
つまり落葉樹全般となりますが、残念ながら綺麗な花や食べられる実がなる木の多くは玄関の掃き掃除が必要になる落葉樹です。
また、常緑樹でもイヌツゲなど葉の小さな木や、一部のコニファー類など内部から細かな枯れ葉が落ちてくるものは、掃除が厄介です。
③実がたわわになる木
特に食べられる実がなる木は人気ですが、実が熟したからといってそうそう食べきれるものではありません。落下した実や、実を食べに来た鳥が糞をして玄関アプローチを汚すことでしょう。
また、風水では玄関周りに実がたくさんなる木を植えると、家の運気が下がるとする説もあります。
④虫がつきやすい木
玄関を出入りする度、落下してくるかもしれない毛虫に怯えるのでは災難です。また、葉を食害されれば見栄えも悪くなります。
虫がつきにくい木というのもありますが、虫がつくかどうかは、剪定など日常の管理に負うところが大きいため樹種だけで選択するのは限界があります。
⑤葉が鬱蒼と生い茂る木
玄関周りが暗いと、家全体のイメージが下がります。また、枝葉がはびこった玄関アプローチは当然ながら通行に支障が生じます。枝葉が生い茂って、暗くなるのは常緑樹です。
以上、玄関まわりにお勧めできない木のポイントを上げましたが、落葉樹もダメ、常緑樹もダメとなると、選択の余地がありません。結局のところ、上記に配慮しながらも、何かを妥協して選択するしかありません。木がもたらす四季折々の楽しみは、多少の不快さを補って余りあるものになるでしょう。
以下、上記のことを踏まえた上で筆者がお勧めの木を紹介します。
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幹の美しさはヒメシャラに劣りますが、ツバキに似た花はより大きく、存在感があります。新緑や紅葉も美しく、多くの家庭の玄関アプローチに見られます、夏の乾燥や強い西日に弱いため、植栽する場所は吟味する必要があります。
同じナンテンでもこちらは実がならず、小鳥たちに玄関を汚されるリスクがありませんし、背丈も低いため管理が容易です。ありふれ過ぎていること、真夏と真冬は葉の色がよろしくないことが欠点です。