庭木図鑑 植木ペディア > ヒムロスギ

ヒムロスギ/ひむろすぎ/姫榁杉

Himuro-sugi(Variety of Sawara cypress)

ひむろすぎ,桧室杉
ヒムロスギの葉はすべて針状だが触っても痛くはない
ヒムロスギ,ひむろすぎ,特徴
サワラとは似ても似つかない葉
ヒムロスギ,ひむろすぎ,特徴
独特の灰色がかった葉色は美しい
ヒムロ,木,ひむろすぎ
樹高は最大で10mほどに
ひむろすぎ,樹形
秋には枯れた枝葉が目立つようになり・・・
ひむろすぎ,ヒムロスギ,樹木
晩冬には全体が茶色っぽく見える
ヒムロスギ,樹木図鑑
樹皮はサワラに似る

 

【ヒムロスギとは】

・スギと名付くがヒノキ科のサワラの園芸品種で自然分布はない。灰色がかった針のような葉が特徴的で、かつては民家の垣根などに盛んに用いられた。名前からは「氷室」を連想するが、ムロ(=ネズミサシ)の葉を小型にしたような葉を持つという意味あいであり、漢字表記は「姫榁」「檜榁」となる。

 

 

・葉は触れてもチクチクしないばかりかモコモコと柔らかく、その触感がうけ、近年ではチャボヒバなどと共にクリスマスのリース、フラワーアレンジメントなどに使われる。

 

 

・葉は表面が青緑色、裏面が銀白色で、メタリックな印象を受ける。霜に当たると赤茶色に変わり、地域によってはその様が美しく見え、シモフリヒバ(霜降り檜葉)との別名で呼ばれる。一般的な感覚ではさほど美しくない。

 

 

・葉以外はサワラと同じような性質を持ち、4~5月に花が咲く。秋には球果が茶色に熟すが、結実は稀。花は地味だが、「あなたのために生きる」という花言葉もある。

 

 

・成長が早くて材が柔らかいため、材木には適さない。サワラ同様に耐水性が高いため、桶や食器には使うことができる。

 

 

【ヒムロスギの育て方のポイント】 

・成長が早いものの、樹形は自然に整いやすい。ただし画像のように高木になるため、家庭に植える場合は定期的に剪定する必要がある。針状の葉はハサミになじみにくく、よく研いだ刃でなければ作業はしづらい。

 

 

・枝葉が密生するため垣根に使うことができるものの、管理を怠れば下枝がなくなって、目隠しにならなくなる。また、内部の枝が枯れこみやすく掃除の手間もかかる。このため近年、民家で使われることは格段に減った。

 

 

・日向を好むが環境への適応力が高く、耐陰性もある。ただし寒さにはやや弱いため植栽の適地は東北地方南部より西となる。

 

 

【ヒムロスギの品種】

オウゴンヒムロ

 新芽が黄色くなる品種で洋風の建物に添えられる。

 

 

タマヒムロ

 名前のとおり球形の樹形になる品種。背丈は大きくなりにくい。

 

 

ヒメヒムロ

 ヒムロよりも葉が短く、細くなる品種

 

ひむろすぎ,品種
ヒメヒムロの葉
氷室杉,特徴
ヒメヒムロの仕立て

ヒムロスギの基本データ

 

【分類】ヒノキ科/ヒノキ属

    常緑針葉/高木

【漢字】姫榁杉/檜榁杉(ひむろすぎ)

【別名】ヒメムロ(姫室)

    ヒムロヒバ/シモフリヒバ

    サツマヒバ/サツマスギ

【学名】Chamaecypraris pisifera

    cv. Squarrosa

【英名】Himuro-sugi

    (Variety of Sawara cypress)

【成長】早い

【移植】簡単(根回しが必要)

【高さ】5m~10m

【用途】公園/垣根

【値段】800円~

 

目次=掲載草木一覧=サイトマップ

 

検索 植木ペディア内を検索します↓