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コノテガシワ/このてがしわ/児の手柏
Chinese arborvitae
【コノテガシワとは】
・中国の北部~西部を原産地と想定されるヒノキ科の常緑樹。中国では寺院や墓地などに植えられるが、日本では元文年間(1736~41年)に渡来して以降、公園、庭園、校庭などに使われる。東アジア全般で古くから庭木として利用されており、自生地の確定は困難視されている。
・葉はヒノキに似るが光沢がない。地面と直角に生じ、表裏がはっきりしないため中国名を「側柏」といい、日本では子供の手のひらに似るとして「児の手柏」と名付けられた。ブナ科のカシワを想起させる名だが分類上の関連はなく、中国ではヒノキの仲間を「柏」と表記する。
・コノテガシワの開花は3~4月。雌雄同株で、同じ株に雌雄それぞれの花が咲く。雄花は褐色の粒状で、雌花はクリーム色。花の後には緑白色の果実ができ、開花翌年の10~11月になると褐色に熟して自然に裂ける。果実の鱗片の内側に付着する種子は「柏子」と呼び、薬用とする。
・樹皮は画像のようにヒノキに似ており、樹齢を重ねると縦に裂ける。中国では樹高20m以上になるものもあり、材は建築や器具に使われる。
【コノテガシワの育て方のポイント】
・苗木のうちは成長が早く、放任しても樹形を整えやすいが、成長につれて下枝がなくなりやすいため、ある程度の高さで幹を切るとよい。
・枝葉が密生するため目隠しの垣根に使えるが、積雪や強風によって枝が折れやすい。また、根が浅く、風で倒れやすいため、植え付け時は支柱を添え、その後は定期的に剪定して枝葉の量を調整する必要がある。
・病害虫に強いが、冬期には葉が褐色になってやや見苦しくなることもある(肥料切れの場合も同様)。
【コノテガシワの品種】
基本種は和風なイメージだが品種が多く、いわゆるコニファーとして洋風住宅や芝庭にも違和感なく使われる。しかし最近ではコノテガシワよりも、園芸品種のエレガンティシマ(エレガンテシマ)の流通量が多い。
・ワビャクダン(和白檀)
葉がやや細く、球果が大きい。
・センジュ(千手)
コノテガシワほど大きくならない。
・オウゴンコノテガシワ
枝先が黄金色になる。
・シシンデン(紫宸殿)
別名を「鳳凰桧葉(ホウオウヒバ)という。葉は青白く、枝は細長い。
・エレガンティシマ
コノテガシワに比べ、樹形が細長い。エレガンティシマには「ストリクタ」、「オーレアナナ」、「ブッチャマン」、「フィリフォルミス」など背丈が大きくならない園芸品種が多数存在する。
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コノテガシワの基本データ
【分類】ヒノキ科/コノテガシワ属
常緑針葉/高木または小高木
【漢字】児の手柏(このてがしわ)
【別名】コノテ/コノデカシワ/テガシワ
ハリギ/ソノテ/フタオモテ
【学名】Platycladus orientails
【英名】Chinese arborvitae
【成長】やや遅い
【移植】やや難しい
【高さ】1m~20m(品種によって多様)
【用途】垣根/公園/街路樹
【値段】900円~