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ウンシュウミカン/うんしゅうみかん/温州蜜柑

Japanese unsyu orange

うんしゅうみかん
ウンシュウミカンは最もポピュラーなミカンの一つ
温州の読み方,うんしゅうみかん
葉をちぎるとミカンの香りがする
栽培品種,ウンシュウミカン
裏面の様子
温州みかんの木
ウンシュウミカンの蕾
unnsyuumikann
未熟な実の様子
温州蜜柑,ウンシュウミカン,うんしゅうみかん
旬は11~12月だが早生種もある
温州ミカンの木,うんしゅうみかん
樹高は最大で6mほどに

 

【ウンシュウミカンとは】

・鹿児島県出水郡長島町を原産とするミカン科の常緑樹。果肉が柔らかいこと、皮が向きやすいことから、日本を代表する食用ミカンとなっており、関東地方以西の暖地で大量に栽培される。

 

・ミカンの仲間は非常に多く、改良品種も含めると数十種類に上るが、日本を原産とするミカンはタチバナのみで、柑橘類は海外からの輸入を起源とするものが多い。

 

・かつてミカンはコウジ(中国名「柑子」の音読み)と呼ばれていたが、本種のように甘味のある品種が出てきたため「蜜柑(みかん)」と呼ばれるようになった。

 

・ウンシュウミカンは約500年前に中国から伝わったミカンの種子から偶然に発生したものとされてきたが、キシュウミカンとクネンポを親とすることが最近になって明らかにされた。

 

・当初ウンシュウミカンは原産地を含めた九州南西部の島嶼地域で栽培されるに過ぎなかったが、明治時代以降、それまで主流であったキシュウミカンに代わって全国的な人気が高まった。日本人が冬にコタツで食べるミカンは、たいていがウンシュウミカン系統である。 

 

・「ウンシュウ」とは、中国浙江省温州地区のことであり、ミカンの名産地である同地区にあやかって売り出したことによる。その効果もあってか現在は柑橘類出荷量の7割をウンシュウミカン系統が占め、「宮川早生」「青島」「大津4号」などの品種が流通する。産地ランキング上位は和歌山県、愛媛県、熊本県など。 

 

・ウンシュウミカンの葉は長さ8~15センチ、幅5センチほどの楕円形。先端は尖るが基部は広いくさび型になり、葉身(葉の平らな部分)と葉柄の間に関節があるが、ユズなどに見られる翼はほとんどない。 

 

・葉の縁には細かくて浅いギザギザがあり、全体に波打ったような状態になるのが基本。ただしこれには個体差があり、縁のギザギザがないものもある。 

 

・ウンシュウミカンの開花は5~6月、白い五弁花は他のミカン類と同様、枝先の葉の脇に咲いて甘い香りを放つ。果実が熟すのは10~12月だが品種によって異なり、一番早いものでは9月から収穫できる。

 

・果実は扁平した球形で果皮は薄く、甘味と酸味のバランスの良さを特徴とする。受粉なしでも結実するため、種がなくて食べやすいのも人気の理由だが、江戸時代には種なしは縁起が悪いとして敬遠されることもあった。 

 

・ウンシュウミカンの樹皮は暗い褐色で樹齢を重ねると縦に筋が入る。材は淡い黄色で程良い硬さと粘りがあり、器具、根付、寄木細工、道具の柄などに稀に使われる。

 

【ウンシュウミカンの育て方のポイント】

・ミカンの中では耐寒性が高いものの、基本的に暖地性であり、年の平均気温が15℃以上、かつ冬期にマイナス5℃以下にならない環境が必要となる。

 

・欲張って果実をたくさんならせると、味が落ちたり、翌年にまったく実がならなかったりする。実が小さいうちに間引きして一つ一つの実を充実させることが大切。間引くのは病害虫にやられた実や、木の外側で直射日光に当たっているもの。

 

・カイガラムシ、ハダニ、アブラムシなどの被害が多いため、枝葉が密生しすぎないように剪定する必要がある。新葉は春、夏、秋に伸びるが春以外に生じた枝は不要であり、根元から切除する。

 

【ウンシュウミカンに似ている木】

キシュウミカン 

 

ナツミカン

 

ハッサク

 

ダイダイ

ウンシュウミカンの基本データ 

 

【分類】ミカン科/ミカン属

     常緑広葉/低木、小高木

【別名】ウンシュウ/タネナシミカン

    ナガシマミカン    

【学名】Cirtus unshiu

【英名】Japanese unsyu orange

    Satsuma orange

【成長】やや早い

【移植】やや困難

【高さ】3~6m

【用途】果樹/庭木

【値段】1500円~

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