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ダイダイ/だいだい/橙・代々
Bitter orange/Sour orange
【ダイダイとは】
・インドのヒマラヤ地方を原産とするミカン科の常緑樹。日本には1900年前に中国を経由して渡来した。ダイダイの果実は長い間、枝の上に残り、3年分の果実が混在することも。これをもって江戸時代には家運隆盛の象徴、縁起の良い木とされ、正月飾りに使われるようになった。
・ダイダイという名の語源には、果実が数年落下しないことを意味する「代々」、ユズの仲間で果実が特に大きいことを意味する「大々」、ヘタが二重になっていることを意味する「台々」などがある。
・果実はナツミカンによく似るため間違いやすいが、ダイダイの実は英名「ビターオレンジ」のとおり、かなり酸っぱく生食には向かない。ポン酢の原料、マーマレード、入浴剤、漢方薬などとしての利用が多い。重さは200gほど。
・ダイダイの果実は長く枝の上に残り、冬(1~2月)にいったんオレンジに熟しても翌春には再度、緑色に戻ることから別名の「回青橙」がある。ダイダイという名前もこれに由来し、年を越しても果実が残ることを表す。
・果実の皮を乾燥させたものを漢方では「橙皮(とうひ)」あるいは「陳皮(ちんぴ)」といい、消化不良の妙薬や御屠蘇の材料として使われる。皮には芳香のある精油を含み、これを精製して得られる油はガソリン代わりになるという。
・ダイダイの開花は初夏(5~6月)。白い五弁花で、中央に雌しべが1本あり、多数ある雄しべは基部で合体して筒状になる。他のミカンの仲間と同様に芳香がある。花言葉は「相思相愛」。
・葉は卵状の長楕円形で質が厚く、葉柄にはヒレのような翼がある。枝葉は密生し、枝には棘がある。
【ダイダイの育て方のポイント】
・高温多湿に強く、病害虫の被害も少ない。
・丈夫で育てやすいが、寒さにはやや弱い。地植えするのは関東以西となる。
・放任気味でも毎年よく結実する。
・芽を出す力もあるため、木が大きくならないよう定期的に剪定するのが望ましい。
【ダイダイの品種】
・カプス(臭橙)
果皮が濃いオレンジ色で重量は200gほど。特有の匂いがあるため「臭橙」と表記される。
・カイセイトウ(回青橙/座橙)
カプスよりも果実が小さめで、重量は20~150g程度。扱いやすいため正月飾りに適する。
・シマダイダイ(縞橙)
果皮と葉に縞模様が入る品種。果実の様子を地球に見立て、「地球柑」などと称して販売される。
ダイダイの基本データ
【分類】ミカン科/ミカン属
常緑広葉/小高木
【漢字】橙(だいだい)/代々
【別名】回青橙(かいせいとう)
【学名】Citrus aurantium
【英名】Bitter orange
【成長】やや早い
【移植】普通
【高さ】3~6m
【用途】果樹/公園
【値段】1800円~