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セイヨウヒイラギ/せいようひいらぎ/西洋柊
English holly/European holly
【セイヨウヒイラギとは】
・ヨーロッパ中南部、西アジア及び北アフリカを原産とする常緑樹。赤い実と濃緑の葉のコントラストが美しく、花の少ないクリスマス期を演出するリースなどに使うため、欧米では古くから庭木として栽培され、園芸品種も多い。
・セイヨウヒイラギがクリスマスのデコレーションに使われるのは、イタリアの古い習慣で農業の神(サツヌルス)を祭る際、本種の葉を用いたことに遠因があるとされる。葉のトゲには悪魔を払う力があり、葉を飾ると翌年に幸運が訪れるとされ、日本におけるサカキやヒイラギに通じるものがある。
・セイヨウヒイラギという名前は、西洋に分布するヒイラギに似た葉の木という意味。しかし、日本のヒイラギはモクセイ科であるのに対し本種はモチノキ科に属しており、分類上はさほど縁がない。
・葉の形はヒイラギと同様だが、セイヨウヒイラギの方がやや大きい。葉は厚い革質で表面には艶があり、若い葉には三角形に近いトゲ状のギザギザがあるが、ヒイラギと同様に老木ではトゲのない葉もある。また、ヒイラギは枝から葉が対になって生じるが、セイヨウヒイラギは互い違いに生じる。
・セイヨウヒイラギは雌雄異株で 5~6月になると前年に生じた枝の付け根に、小さな白い花を数輪咲かせる。
・花の後には果実ができ、晩秋から色づき始め、クリスマスの頃に真紅に色付く。ヒイラギには黒い実ができるため、この点でも両者は異なる。セイヨウヒイラギの繁殖は実生のほか、接ぎ木や挿し木による。
【セイヨウヒイラギの育て方のポイント】
・日なたを好むが、日本の夏の日差しは強過ぎて葉色が悪くなるため、半日陰くらいの場所が丁度よい。
・雌雄異株であり赤い実を楽しむには雌の木を植える必要がある。ただし、一株でも立派な実ができる改良種がある。
・自然樹形は円形~円錐形で、生育環境によって低木あるいは高木となる。枝葉はよく繁り、生垣にも適するが、枝が混み合うとカイガラムシ、ハダニ、すす病などの巣窟になる。適宜、剪定して通風を確保したい。
【セイヨウヒイラギに似ている木】
セイヨウヒイラギは日本の風土にあまり合わないのか、庭木として定着している例は多くない。代わって、近縁のアメリカヒイラギやシナヒイラギ(ヒイラギモドキ、チャイニーズホーリー)が普及しており、これらをホーリーと呼ぶことがある。
セイヨウヒイラギの基本データ
【分類】モチノキ科/モチノキ属
常緑広葉/小高木
【漢字】西洋柊(せいようひいらぎ)
【別名】ホーリー/ホリー
クリスマスホーリー
イングリッシュホーリー
【学名】Ilex aquifolium
【英名】English holly
European holly
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】4~20m
【用途】垣根/クリスマスリース
【値段】3000円~