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メダケ/めだけ/女竹
Simon bitter bamboo
【メダケとは】
・関東以西の本州、四国及び九州に分布するイネ科メダケ属の多年生常緑笹。シノダケと呼ばれるものの一つで、オトコダケと称されるマダケよりも細くて柔らかな様子からメダケと名付けられたが、ササの仲間。漢字表記は女竹、雌竹、山竹など。
・湿気を好み、河川敷や海辺の丘陵などで群落を作る。細くて丈夫な棹を日常の作業に使うため民家付近に植えていたものが野生化しているケースが多く、自然の豊富な場所にはあまり見られない。関東地方の南部で特によく目にする。
・一般家庭でメダケを庭木に使う例は少ないが、京都御所の清涼殿前には皇太子の無病息災を祈念し、クレタケと共に「漢竹(カワタケ)」として代々植え継がれている。
・5月になると小さなタケノコができるが、苦味があって食用にならず、ニガタケという別名がある。タケノコは地下にある直径2センチほどの根(地下茎)の節部分から生じる。
・メダケの葉は長さ5~25センチ、幅1~2センチの大形で硬くて薄い。裏表ともに毛はなく、先端は尖って垂れ下がり、枝は節の上部から3~9本が鋭角に生じる。花は数十年周期で咲くが、開花した株は丸ごと枯れる。
・棹にある皮(棹鞘という)は節間より短く、節は凹凸が目立たちにくいが膨らみがある。棹は無毛だが、時折、節に細かな逆毛(肩毛)が生じる。棹は柔軟性が高くて加工しやすいが、日差しを浴びると褐色になりやすい。
・プラスチックが普及する前、メダケの竿はザル、籠、簾、笛、ウチワなどの民芸品や細工物、野菜作りの支柱や釣竿、農業や漁業の資材に多用した。建築で用いる小舞竹(土壁の内部の骨組)や、さらにはチクワの芯にも使ったという。
【メダケの品種】
・シロシマメダケ/キシマメダケ
葉に白あるいは黄色のストライプ模様が入る品種
・ハガワリメダケ(葉変わり女竹)
一つの株の中に、幅や模様の異なる葉が混在する品種
【メダケに似ているササ】
・ネザサ、アズマネザサ
メダケと同じように民家近くに多いササ。本種よりも葉が短く、葉の先端が垂れ下がらないために見分けられる。
・ヤダケ
メダケ同様に細くて背の高いササの仲間。似たような存在感だが、メダケの場合は節に3~9本の枝が生じ、ヤダケは一節に1本しかない。
メダケの基本データ
【分 類】イネ科/タケ亜科
メダケ属
【漢 字】女竹(めだけ)
【別 名】シノダケ/シノ/ニガダケ
オナゴダケ/オンナダケ
カワタケ/コマイダケ
ジンダイチク/ナヨタケ
【学 名】Pleioblastus simonii
【英 名】Simon bitter bamboo
【高 さ】2~6m
【直 径】1~3cm
【節間長】─